第二世代GT-R(R32,R33,R34)の年間維持費の調査してみた

日産自動車の主力車種、スカイラインの最高峰グレードの冠名であり、6代目にあたるR35型からは独立車種として、現在も国産市販スポーツカーのトップに君臨している「GT-R」。
ずば抜けた走行性能はもとより他を圧倒する存在感を放つGT-Rは、まさにスーパーカーと呼ぶにふさわしい誰しもが憧れる車の代表格ですが、いったい年間どれほどの維持費が必要なのか、今回は第二世代のGT-R(R32,33,34)について徹底検証しました。

なお、全ての型式に共通する事項として

・年間走行距離の目安が10,000km/年
・燃料代算出根拠はカタログ燃費の70%
・ガソリン代は140円/L
・特殊な改造は施していない

ものとします。

また任意保険についても、車両保険への加入はしないものとしたうえで、10等級時点での平均的年間保険料を紹介いたします。

R32GT-R(BNR32)の年間維持費は40~50万円ほど

今年で発売から30年目経ったBNR32の必ず掛かるであろう年間維持費は、
最低でも「合計40万程度」です。

そこに、2年に一度の車検代が入れば最低でも12万程度掛かります。またタイヤ交換やオイル交換以外のメンテナンス費用を入れると年間で50万円以上のお金は年間で出ていくはずです。
また、30年~20年近く経過車両ですから予期せぬ故障も多いと思いますので金銭的な覚悟は必要です。

自動車税⇒58,650円

R32GT-Rに搭載されている、RB26DETTエンジンの排気量は2,568ccであるため、基本となる自動車税額は51,000円ですが、13年経過車への重課15%の対象になるため、「58,650円」を毎年納付する必要があります。

重量税⇒18,900円

R32GT-Rの車両重量は標準モデルで1,480kg、Vスペックシリーズもきっちり1,500kgであるため、分類的には1t超1,5t以下に属しエコカー減税対象であるわけもなく、18年以上経過の重課対象であるため、「18,900円」が1年あたり必要となります。

車検代は最低でも⇒12万円

次に最も大きな維持費の1つである継続車検費用の目安ですが、法定費用と呼ばれる自賠責保険料が24ヶ月分で「25,830円」、重量税は2年分必要なので「37,800円」、これに印紙代1,100円(指定工場)を足した「64,730円」は、どこで車検を受けても絶対にかかります。

また、年式やハイスペックな特徴を考慮するとカー用品店や、ガソリンスタンドなどといった格安車検を謳う業者は避けるべきで、ましてやユーザー車検や代行業者はやめておいた方が無難。

法定点検を含む、日産ディーラーの車検基本工賃が5~6万円程度ですから、一切部品交換が無かったとしても、合計で12万円近くかかります。

あくまで一般論ですが、全ての点検項目にフルマークで合格するR32は、それほど多くありませんから、車検年度はなんやかんやで20万円程度の出費を覚悟しておくべきでしょう。

タイヤ代⇒10万円~13万円

標準R32の純正タイヤサイズは「225/50R16」ですので、国産有名メーカーの高スペックタイヤに交換すると25,000円あたりが相場となり、17インチにアップ設定されているVスペックシリーズの場合は、もう少し高い30,000円あたりが必要となります。

いずれの場合も、作業になれた専門店などで交換すべきで、ハイパワーエンジンのパワーを一身に受けるタイヤには高い安全性と安定性が求められますから、廉価な安物タイヤは選ばないほうがいいですし、ホイールバランスの調整などもしっかりと実施した方が◎。

ですので、交換工賃+バランス調整が1本当たり2,000円程度発生するため、購入費と合算して標準モデルで「108,000円」、Vスペックシリーズでは「128,000円」程度の出費は致し方ないところです。

エンジンオイルなどの消耗品・メンテナンス費用⇒5万円

R32GT-Rは今回紹介している中では最も古い型式になるため、マメなオイル交換が必須であり、2,000kmごとのオイル交換及び2回に1度のエレメント交換を、必ず実施すべきと考えています。

使用するオイルも低品質なものではなく、SAE粘度的に「10W‐40」のものをHKSは勧めており、カストロールのような専門メーカーの商品も良いですが、日産が提供している「SMエンデュランス」で問題ないでしょう。

日産ディーラーで指定するだけではなく、Amazonなどでおおむね1,000円/1L出せば購入でき、R32のオイル交換時必要量は5Lあれば十分なので、「5,000×5回=25,000円」とエレメントを交換を含め、合計3万円あれば適切なエンジンオイル管理が可能です。

その他、ワイパーやウォッシャー液などといった細かい消耗品に年/1万円、重厚でデザイン性の高いボディーを美しさを保つための洗車ケミカル購入や、コーティング施行にこれまた1万円かけるとすると、メンテナンス費用だけでざっと5万円近く必要になります。

燃料代⇒243,902円

R32GTRのカタログ燃費は8,2km/L、その70%は5,74km/Lであるため、1年間の総ガソリン代は「243,902円」となります。

保険代(任意保険)⇒年間25,000円程

自動車保険の年間保険料は、運転者の限定範囲と年齢によって大きく変化しますが、リーズナブルな通販型自動車保険を比較して加入すれば、年間25,000円程で済みます。

ちなみに生産から15年以上経過している車は、車両保険に加入したくてもできないケースがほとんどなので、万が一の時の修理代ぐらいは貯えておくべきかもしれません。
※交渉次第で車両保険を付けられることもあります。

R33GT-R(BCNR33)の年間維持費は60~70万円ほど

1995年に発売されてから24年経つR33GT-R(BCNR33)の年間維持費はR32比べ、重量税が高くなりタイヤサイズアップに伴いその分金額も高くなります。
そのため、年間維持費の合計はR32よりも10万円から20万円ほど高い「60万円~70万円」となります。

また、24年経過している車ですのでメンテナンス費用ももちろん掛かるのでこれ以上の出費を覚悟したほうがいいです。

自動車税⇒58,650円

R33は車両重量増加に伴い、ECUの16ビット化や過給圧の上昇、バルブタイミングやフリクションロスの見直しなどの改良は施されたものの、搭載エンジン自体はR32と全く同じもの。

つまり、排気量自体は変わらず販売終了から20年経過しているため、15%重課対象となり「58,650円」を自動車税として毎年納付することになります。

重量税⇒25,200円

R32とR33が税金額で違ってくるにはこの重量税、わずかにではありますがR33の車両重量は増加し、1,530kgとなっています。

税率区分が1段階上がってしまうため、18年経過の重課分を合わせると1年あたり「25,200円」の重量税が課せられることになります。

車検代は最低でも⇒12万円

印紙代と自賠責はR32と同額、ただ1年あたりの重量税がアップするので最低限必要な法定費用が、「77,330円」となってきます。
何も交換部品などがない場合は12万円程度で済むかもしれませんが、20年以上経過しているのでそれはなかなか難しいでしょう。

R33も日産ディーラーできちんと法定亭権付車検を受けたほうがベターで、ブレーキパット等の消耗品や足回り関連パーツを中心に、交換部品が出てくる可能性大なので、やはり20万円近くは準備しておくべきでしょう。

タイヤ代⇒15万円~20万円

R33標準モデルの純正タイヤサイズは「245/45R17」なので、国産有名メーカーの高性能タイヤをチョイスした場合、35,000円/本はかかってしまいます。

信頼できるタイヤ専門業者にきちんとホイールバランスを取ってもらい、4本全てを交換した場合は総額で「15万円」近いコストが発生します。

一方、R33Vスペックについては「245/40R18」にサイズアップ、こちらは1本5万円近くするので、すべて交換する場合は20万円以上の出費を覚悟しなくてはなりません。

タイヤは安全性を左右する重要な消耗品なので、品質を妥協するのはおすすめできませんが、、タイミングを見払って適時タイヤローテーションをしたり、通販サイトで安く購入できるタイヤを探すなど、節約術を駆使したほうが良いでしょう。

エンジンオイルなどの消耗品・メンテナンス費用⇒5万円

こちらについてはエンジンオイルの頻度、選択すべき商品の仕様・価格帯及び、他消耗品や洗車コーティングコストなどすべてR32と同程度と考えて構いませんので、メンテナンス費用として年総額「5万円」程度とみておきましょう。

燃料代⇒24万6,914円

R33のカタログ燃費はR32より重量増加分、ほんのわずかですが下がっているため、その70%は5,67km/Lとなり、計算すると年間総ガソリン代は「246,914円」となります。

保険代(任意保険)⇒年間30,000円程

おそらく、任意保険料の算出材料の1つである型式別料率クラスが違いためだと思いますが、R32よりR33GT-Rの方が少し同条件でも年間保険料が高めで、30,000円程度かかってきます。

こちらも生産終了から20年以上経過しているので、基本的に車両保険には加入できません。

R34GT-R(BNR34)の年間維持費は70万円ほど

1999年に発売された最後の第2世代GT-RがBNR34。

年間維持費は合計で「70万円ほど」と過去最高になりますが、
年式が新しいのでメンテナンス費用が安く済む可能性がありますし、まだまだパーツが豊富にあるので安くパーツを手に入れることが可能です。
また18年経っていない年式であれば重量税が安くなります。

自動車税⇒58,650円

R34の排気量はR33と全く同じで15%重課対象なので、1年あたり「58,650円」を毎年支払っていく必要があります。

重量税⇒25,200円

重量税区分もR33と全く同じ、1年あたり「25,200円」の重量税を車検時2年分支払うことになりますが、ここに来てやっと18年を切る車体が出てくる可能性あるため、そちらの場合は年22,800円で済みます。

車検代は最低でも⇒15万円

R34の車検法定費用は2パターン、ほとんどのR34はR33と全く同じ「77,330円」が必要ですが、最終系2002年式に限り重量税が安いため若干安い「72,530円」で済みます。

「おすすめ」というより、スカイライン最後のGT-Rとして最新技術の神髄が詰まったR34の車検・整備は、日産に任せた方が無難。

先代・先々代よりは不具合箇所が少ない可能dayが他界ですし、リビルトパーツなども入手しやすい傾向にあるため、総額的に15~17万円を見ておけば大丈夫でしょう。

タイヤ代⇒20万円

R34のタイヤサイズはまたもやインチアップして「245/40ZR18」、R33Vスペックと同サイズになるため、4本すべて交換するとなると20万円近くが飛んでいきます。

やはりR34の場合も、タイヤローテンションの実施や空気圧点検など、タイヤを長持ちさせるメンテナンスが不可欠と言えるでしょう。

エンジンオイルなどの消耗品・メンテナンス費用⇒4万円

R34も特別高価なエンジンオイルを使用する必要はなく、大切なのは交換頻度になりますが、少々年式的に新し目になってエンジン自体の剛性が高くなっているため、R33までの年5回から年3回程度に減らしても大丈夫でしょう。

他のメンテナンス費用相場に変化はありませんので、「3,5~4万円」程度が1年あたりの総額と考えておきましょう。

燃料代⇒24万6,914円

そもそも、燃費性能にスポットが当たる車種ではないので当たり前なのかもしれませんが、R34のカタログ燃費はR33からまったく伸びていないため、おのずと年間総ガソリン代は「246,914円」となります。

保険代(任意保険)⇒年間20,000円程

R33とは逆にサイドエアバックの装備や、サイズダウンなどによる安全性の向上が評価されたのか、R34の年間保険料は頑張って探せば、20,000円を切る損害保険会社を見つけることが可能です。
しかしR34の世代に差し掛かっても、保険料が割高な代理店型損保の一部を除き、車両保険をリーズナブルな価格で付与することはできません。

まとめ

・R32GT-R(BNR32)⇒40~50万円ほど
・R33GT-R(BCNR33)⇒60~70万円ほど
・R34GT-R(BNR34)⇒70万円ほど

スカイラインの最高峰モデル、GT-Rの年間維持費について解説してきましたが、さすがというべきかやはりかなりの維持費を覚悟しなければならないことは、ご理解いただけたと思います。
結果としてBNR34が一番高額になる訳ですが、年式の古いBNR32の方が故障や部品の劣化が多くみられ修理費などがかさむ場合があるので一概には言えません。

しかし、ヘリテージパーツなどの登場で正規の値段で純正部品が手に入れることが可能ですし、工夫次第で維持費を安く抑えることも十分可能です。
また、全国にGT-Rに詳しいショップが沢山あるので、相談できるショップを見つけることも出費を抑えるコツ。

維持費が掛かっても所有していたい魅力がある車ですが、無理は禁物なのでご自分の懐具合と相談して購入計画を進めていただればと思います。