100万円越え!?R35GT-Rの年間維持費の合計は?

R35GT-Rは、国産スポーツの最高峰に位置しながら、高級セダンに負けない乗り心地と静粛性を兼ね備える、「究極」と呼ぶにふさわしい超ハイスペックスーパーカーであるため、その価格設定がそもそも半端じゃない。
先代であるR34の場合、標準車なら約500万円の新車価格でしたし、1,000台限定の最高級グレード「VスペックⅡ・ニュル」でも、約630万円に抑えられていました。

一方のR35はと言えば、初代モデルのベースグレードの新車販売価格は777万円でしたが、マイナーチェンジには一気に869万円へ大幅値上げ、その後も通年改良やマイナーチェンジのたびに価格が高騰し、ベースグレードにあたる「Pure edition」でも1,023万円。
上級グレードや限定モデルは言わずもがな、もはや若い世代が背伸びをして購入できる、大衆・量産車のレベルではなくなったため、歴代モデルのオーナーと少々購入層が変わってきます。

その結果、「維持費なんて気にしない」という豪気なオーナーも多いと思いますが、「いつかはR35に乗ってやる!」と奮起する方に向け、R35の年間維持費目安を整理しておきましょう。

初めに結果を言うと、

・新車の場合最初の年は50万~60万(メンテプロパック30加入の場合)
・タイヤ交換や車検が重なった場合は年100万以上

となりますが、これが中古車のGT-Rである場合はまた更に違った結果となります。

また、消耗品の交換が発生した場合は更に費用がかさむので年間で幅はありますが50~100万ぐらいGT-Rに割けるお金があれば維持は可能でしょう。

なおここでは、NISMO及びその他限定モデルについては、整備・メンテナンスが専門的で販売台数も少ないため、スタンダードモデルの年間維持費について触れていきます。

自動車税⇒66,500円

R35に搭載されているVR38DETT型エンジンの排気量は約3,8L、税率区分では3,5L超~4L以内と、R34以前のモデルより2ランクアップします。

しかし、年式が最も古い初代R35でも現時点(2019年5月)では、ギリギリ13年経過していないため重課を逃れ、基本となる66,500円が1年あたりの自動車税額です。

重量税⇒16,400円

R35の車両重量は、世代とグレードによって若干変わりますが、いずれも税率区分的に1,5t超~2t以内に属し、当然と言っては何ですがエコカー減税は適用されません。

しかしR34以前のモデルと異なり、こちらも13年経過の重課対象でないため、1年あたりの重量税は16,400円となります。

車検代⇒20万円

まずは法定費用、車検時には2年分の重量税と自賠責保険料「27,840円」、印紙代が必要なので計算すると、「59,730円」を最低限準備しなければなりませんが、重量税の重課がない分R34より若干安上りです。

問題は、法定費用以外の点検・整備・部品代・交換工賃の方で、年式が古めで走行距離も長く、オイル関連や足回りパーツなどの交換がかさんだケースでは、NHPCから100万円を超える見積もりが届いたなんて報告も、ネット上ではありました。

とはいえ、R35はジャンル的に通勤・通学・買物などで乗り回す車ではありませんし、価格帯から言って年収が高めな30代後半~50代の方や、子育てが終わった世代のオーナーが多い傾向にあります。

そのため、年式が経過していても走行距離が少なかったり、日頃メンテナンスにコストを割き、大切に管理されている場合が多いため、平均値を調べるとおおむね20万円~30万円あたりが車検相場となっています。

タイヤ代⇒30万円~50万円(3年に1回)

通常は、前述した車検代が維持費において最も大きなウェイトを占めるものですが、R35の場合とにかく設定された純正タイヤの値段が高額なので、こちらの方を気にしたほうが◎。

安全上の理由から、日産自動車ではR35専用に開発したタイヤ以外の装着を認めていないため、現時点ではダンロップ社製の「SP SPORT MAXX GT 600 DSST CTT」しか、チョイスできないことになります。

しかも、この純正専用タイヤは300km時に例えバーストしても、80km/hで約80km安全に走行できる「超高性能ランフラットタイヤ」であり、サイズもフロントが「255/40R20」リアが「285/35R20」と、R34から2インチアップしたうえで扁平率なども特殊。

4本セットのメーカー希望価格はなんと驚異の「税抜39万円!」、これにNHPCでの交換工賃と綿密なホイールバランス調整、消費税を加えると約50万円近くになりますから、古めの中古車なら余裕で買えてしまうレベルです。

他社の安い商品見つけて交換すればいいと思う方は…、正直R35の現オーナーにはあまりいないと思いますが、純正タイヤ以外を装着・使用するとメーカー保証対象外になるので、やめておいた方が無難。

前後輪でサイズが違うためローテーションの効果も低いですが、通販などで探せばかなり安い価格で購入可能なので、ゲットしてNHPCに持ち込み交換してもらうのもアリです。

ただ、それでも25万円~30万円はしますし、安すぎるものは粗悪品も可能性もあるので信頼性を求めるなら、GTROC(GT-Rオーナーズクラブ)が運営している、「こちら」で購入することをおすすめします。

エンジンオイルなどの消耗品・メンテナンス費用⇒225,000円(メンテプロパックに加入する場合)

R35は、各種メンテナンス時アンダーパネルを脱着しなければならないことと、点検・整備が違法改造防止のためNHPCに限定されていることもあって、エンジンオイルの交換工賃などが、歴代モデルと比較してかなり高い。

メンテナンスの度にNHPCで個別作業してもらっていると、コストがどんどんかさんでいくため、「メンテプロパック30」をセットした方がお得で、車両保証を維持するには購入必須になっているため、ほとんどのR35オーナーがセットしています。

メンテプロパック30のサービス内容は、
・オイルのみ交換3回
・エンジンオイル&エレメント交換2回
・6ヶ月安心点検2回
・12ヶ月法定点検2回

となっており価格は225,000円で、新車購入から1ヶ月限定で購入可能です。

セットしていなかった方がオイル交換と法定12ヶ月点検を依頼したら、約9万円かかったという話もありましたから、「車両補償なんていらないから行きつけののショップに任せる!」と決めている方以外は、セットしたほうが良いでしょう。

ちなみに、メンテプロパック30の有効期限は36ヶ月で、期間内であればいつ使っても問題ないため、余裕がある時は適用しないなど工夫すれば、3年間はNHPCによる点検・エンジンオイル交換ができるという訳です。

燃料代⇒25万円

販売終了から、かなり年数が経過しているR34以前のモデルの場合、いまさらハイオクにしてもあまり意味がないことも多いですが、高出力エンジンが搭載されているR35の方は、ノッキングを起こしやすいレギュラーを使用するのは、やめておいた方が良いでしょう。

ハイオクを推奨するため、1L辺りの燃料代を現在の平均である「154円」に設定・計算しましたが、燃費性能が約8%向上したため1年トータルの燃料代は、「約25万円」でR34との差額はわずか3,000円程度で済みます。

保険代(任意保険)⇒10万円

R35の任意保険料は、直進性の向上やコーナリングのスムーズさなどが、安全性を引き上げたと判断されたためか、R34と同程度か少し安めの17,000円程度と考えていいでしょう。

また10年落ち未満の車体であれば、通販型でも車両保険を付けられることが多いですが、何しろ車体そのものの価格が高いため、車両保険を付けると優に年間保険料が10万円を突破します。

まとめ

今回紹介したR35GT-Rの維持費についてですが、頑張って節約すれば中古購入して乗り続けることも可能な歴代モデルと異なり、よほどの高給取りか他のことに全くお金をかけない、熱狂的なカーマニア位にしか購入・維持できない車です。フェラーリやポルシェとまではいきませんが、立派な高級スポーツカーの部類です。

ただし、NHPCに頼らずに自分でGT-R専門ショップを探して整備に掛かる費用を抑えることで維持費を少なくすることも可能ですし、乗り方によってもお金の出方もだいぶ変わってくる車です。

念のため中古車相場も調べてみましたが、そもそも玉数が少ないうえ最も古い2007年式であっても、500万円を切る出物を見つけることはできませんでした。
しかし、筆者も含めいつの日かハイウェイを華麗駆け抜けてみたい、そういった夢を誰しもに抱かせる最高のスーパーカー、それが日産・R35GT-Rという車なのです。